[linux-users: 108790] Re: Linux いいところ・わるいところ。

Takashi SHIRAI shirai @ unixusers.net
2011年 6月 28日 (火) 19:35:15 JST


 しらいです。

In Message-Id <4E097E17.7080300 @ mtf.biglobe.ne.jp>
        Kaoru Horiuchi <tayu @ mtf.biglobe.ne.jp>さんwrites:
> DOSベースだと、テキストベースなグラフィックシステムがあります。
> というか昔はほとんどそれでした。
> 開発先の環境だったので具体的に何とは言えないんですけど…。

 DOSSHELL.EXE のことでしょうかね。テキストベースで平面的レ
イアウトを構成する UI のことは、GUI と CLI の中間どころとい
う意味で TUI (Text User Interface) と呼ぶようです。

 単機能コマンドを組合わせて応用するのが好きな UNIX 文化では、
この手の All In One なソフトは余り歓迎されないために、TUI は
MS-DOS と比べて発展も普及も鈍いものでした。
 一般の UNIX と比べると Linux は初心者率が高く過去のしがら
みも小さいので、そういった文化障壁こそ無かったものの、後発故
に普及して間もなく GUI 全盛期に突入してしまいます。
 TUI がある程度の成長を遂げるには、GUI が使えない環境で悶々
と過ごす人数と期間がそれなりに必要なので、UNIX も Linux もそ
の機会に恵まれなかったのだと思います。

 その一方で、CLI よりちょっと便利な環境ということで、emacs
の中で shell を起動したり、screen を使ってマルチ画面を実現し
たりという UI はそこそこ普及してましたね。
 その理由は TUI と比べて効率性に長けるからです。GUI もそう
ですけど、便利さを追求すると代わりに作業効率が落ちちゃうんで
すよ。
 vi を見れば判るとおり、両手がキーボードのホームポジション
から離れるだけで文句を言う人が多いのが UNIX の独特な文化なん
です。

 そういう古参以外が頑張って TUI の発展に寄与すればもっと普
及もしてたんでしょうけど、ベテランじゃないけどプログラムもバ
リバリ組むよってな人は少なかったんでしょうね。
 結果として、Linux を含む UNIX の世界では CLI と GUI の二極
化が顕著になったということだと思います。

                                               しらい たかし


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