[JF:20053] [Draft] stable_kernel_rules.txt の更新
Tsugikazu Shibata
tshibata @ ab.jp.nec.com
2011年 5月 11日 (水) 12:31:50 JST
柴田です
Linux カーネルに含まれるドキュメント stable_kernel_rules.txt の翻訳文
書も 2009年に 2.6.29 に対応したままでしたが、オリジナルが更新されてい
るので、HOWTO に続いて最新の Linux カーネル2.6.38 に対応する更新版を出
したいと思います
最初に英語版の 2.6.29->2.6.38 の差分を、
次にそれに対応する日本語訳の差分を、
最後にリリースしたいフルテキストをこのメールにつけます
長くて申し訳ありませんがよろしくお願いします
また添付ファイルとして info ファイルをつけます
よろしくお願いします
---英語版の 2.6.29->2.6.38 の差分
--- linux-2.6.29/Documentation/stable_kernel_rules.txt 2009-03-24 08:12:14.000000000 +0900
+++ linux-2.6.38/Documentation/stable_kernel_rules.txt 2011-03-15 10:20:32.000000000 +0900
@@ -18,21 +18,40 @@
- It cannot contain any "trivial" fixes in it (spelling changes,
whitespace cleanups, etc).
- It must follow the Documentation/SubmittingPatches rules.
- - It or an equivalent fix must already exist in Linus' tree. Quote the
- respective commit ID in Linus' tree in your patch submission to -stable.
+ - It or an equivalent fix must already exist in Linus' tree (upstream).
Procedure for submitting patches to the -stable tree:
- Send the patch, after verifying that it follows the above rules, to
- stable @ kernel.org.
+ stable @ kernel.org. You must note the upstream commit ID in the changelog
+ of your submission.
+ - To have the patch automatically included in the stable tree, add the tag
+ Cc: stable @ kernel.org
+ in the sign-off area. Once the patch is merged it will be applied to
+ the stable tree without anything else needing to be done by the author
+ or subsystem maintainer.
+ - If the patch requires other patches as prerequisites which can be
+ cherry-picked than this can be specified in the following format in
+ the sign-off area:
+
+ Cc: <stable @ kernel.org> # .32.x: a1f84a3: sched: Check for idle
+ Cc: <stable @ kernel.org> # .32.x: 1b9508f: sched: Rate-limit newidle
+ Cc: <stable @ kernel.org> # .32.x: fd21073: sched: Fix affinity logic
+ Cc: <stable @ kernel.org> # .32.x
+ Signed-off-by: Ingo Molnar <mingo @ elte.hu>
+
+ The tag sequence has the meaning of:
+ git cherry-pick a1f84a3
+ git cherry-pick 1b9508f
+ git cherry-pick fd21073
+ git cherry-pick <this commit>
+
- The sender will receive an ACK when the patch has been accepted into the
queue, or a NAK if the patch is rejected. This response might take a few
days, according to the developer's schedules.
- If accepted, the patch will be added to the -stable queue, for review by
other developers and by the relevant subsystem maintainer.
- - If the stable @ kernel.org address is added to a patch, when it goes into
- Linus's tree it will automatically be emailed to the stable team.
- Security patches should not be sent to this alias, but instead to the
documented security @ kernel.org address.
---対応する日本語訳の差分
--- stable_kernel_rulesorg.txt 2011-05-11 11:51:28.333935515 +0900
+++ stable_kernel_rules-JF.txt 2011-05-11 11:50:35.077935507 +0900
@@ -1,22 +1,10 @@
==================================
これは、
-linux-2.6.29/Documentation/stable_kernel_rules.txt
+linux-2.6.38/Documentation/stable_kernel_rules.txt
の和訳です。
翻訳団体: JF プロジェクト < http://www.linux.or.jp/JF/ >
-翻訳日: 2009/1/14
+翻訳日: 2011/5/9
翻訳者: Tsugikazu Shibata <tshibata at ab dot jp dot nec dot com>
校正者: 武井伸光さん、<takei at webmasters dot gr dot jp>
かねこさん (Seiji Kaneko) <skaneko at a2 dot mbn dot or dot jp>
@@ -44,21 +32,39 @@
- いかなる些細な修正も含めることはできない。(スペルの修正、空白のクリー
ンアップなど)
- Documentation/SubmittingPatches の規則に従ったものでなければならない。
- - パッチ自体か同等の修正が Linus のツリーに既に存在しなければならない。
- Linus のツリーでのコミットID を -stable へのパッチ投稿の際に引用す
- ること。
+ - パッチ自体もしくは同様な修正はあらかじめ Linusのツリー( upstream )
+ に存在しなければならない
-stable ツリーにパッチを送付する手続き-
- 上記の規則に従っているかを確認した後に、stable @ kernel.org にパッチ
- を送る。
+ を送る。あなたは自身の投稿の changelog に upstream のコミットID を
+ 付加しなければならない
+ - 自動的にそのパッチが stableツリーに含められるようにするには、
+ Cc: stable @ kernel.org
+ のタグをサインオフ領域に追加すること。一度パッチがマージされれば、
+ それは作者やサブシステムメンテナーが何もする必要なしにステーブルツ
+ リーに適用される
+ - もしパッチが他のパッチを必要条件として個別に要求する場合には、サイ
+ ンオフエリアに次のような形式で指定することで選択することができる
+
+ Cc: <stable @ kernel.org> # .32.x: a1f84a3: sched: Check for idle
+ Cc: <stable @ kernel.org> # .32.x: 1b9508f: sched: Rate-limit newidle
+ Cc: <stable @ kernel.org> # .32.x: fd21073: sched: Fix affinity logic
+ Cc: <stable @ kernel.org> # .32.x
+ Signed-off-by: Ingo Molnar <mingo @ elte.hu>
+
+ タグの順番の意味は以下:
+ git cherry-pick a1f84a3
+ git cherry-pick 1b9508f
+ git cherry-pick fd21073
+ git cherry-pick <このコミット>
+
- 送信者はパッチがキューに受け付けられた際には ACK を、却下された場合
には NAK を受け取る。この反応は開発者たちのスケジュールによって、数
日かかる場合がある。
- もし受け取られたら、パッチは他の開発者たちと関連するサブシステムの
メンテナーによるレビューのために -stable キューに追加される。
- - パッチに stable @ kernel.org のアドレスが付加されているときには、それ
- が Linus のツリーに入る時に自動的に stable チームに email される。
- セキュリティパッチはこのエイリアス (stable @ kernel.org) に送られるべ
きではなく、代わりに security @ kernel.org のアドレスに送られる。
--リリースしたい2.6.38 対応のフルテキスト
==================================
これは、
linux-2.6.38/Documentation/stable_kernel_rules.txt
の和訳です。
翻訳団体: JF プロジェクト < http://www.linux.or.jp/JF/ >
翻訳日: 2011/5/9
翻訳者: Tsugikazu Shibata <tshibata at ab dot jp dot nec dot com>
校正者: 武井伸光さん、<takei at webmasters dot gr dot jp>
かねこさん (Seiji Kaneko) <skaneko at a2 dot mbn dot or dot jp>
小林 雅典さん (Masanori Kobayasi) <zap03216 at nifty dot ne dot jp>
野口さん (Kenji Noguchi) <tokyo246 at gmail dot com>
神宮信太郎さん <jin at libjingu dot jp>
==================================
ずっと知りたかった Linux 2.6 -stable リリースの全て
"-stable" ツリーにどのような種類のパッチが受け入れられるか、どのような
ものが受け入れられないか、についての規則-
- 明らかに正しく、テストされているものでなければならない。
- 文脈(変更行の前後)を含めて 100 行より大きくてはいけない。
- ただ一個のことだけを修正しているべき。
- 皆を悩ませている本物のバグを修正しなければならない。("これはバグで
あるかもしれないが..." のようなものではない)
- ビルドエラー(CONFIG_BROKENになっているものを除く), oops, ハング、デー
タ破壊、現実のセキュリティ問題、その他 "ああ、これはダメだね"という
ようなものを修正しなければならない。短く言えば、重大な問題。
- 新しい device ID とクオークも受け入れられる。
- どのように競合状態が発生するかの説明も一緒に書かれていない限り、
"理論的には競合状態になる"ようなものは不可。
- いかなる些細な修正も含めることはできない。(スペルの修正、空白のクリー
ンアップなど)
- Documentation/SubmittingPatches の規則に従ったものでなければならない。
- パッチ自体もしくは同様な修正はあらかじめ Linusのツリー( upstream )
に存在しなければならない
-stable ツリーにパッチを送付する手続き-
- 上記の規則に従っているかを確認した後に、stable @ kernel.org にパッチ
を送る。あなたは自身の投稿の changelog に upstream のコミットID を
付加しなければならない
- 自動的にそのパッチが stableツリーに含められるようにするには、
Cc: stable @ kernel.org
のタグをサインオフ領域に追加すること。一度パッチがマージされれば、
それは作者やサブシステムメンテナーが何もする必要なしにステーブルツ
リーに適用される
- もしパッチが他のパッチを必要条件として個別に要求する場合には、サイ
ンオフエリアに次のような形式で指定することで選択することができる
Cc: <stable @ kernel.org> # .32.x: a1f84a3: sched: Check for idle
Cc: <stable @ kernel.org> # .32.x: 1b9508f: sched: Rate-limit newidle
Cc: <stable @ kernel.org> # .32.x: fd21073: sched: Fix affinity logic
Cc: <stable @ kernel.org> # .32.x
Signed-off-by: Ingo Molnar <mingo @ elte.hu>
タグの順番の意味は以下:
git cherry-pick a1f84a3
git cherry-pick 1b9508f
git cherry-pick fd21073
git cherry-pick <このコミット>
- 送信者はパッチがキューに受け付けられた際には ACK を、却下された場合
には NAK を受け取る。この反応は開発者たちのスケジュールによって、数
日かかる場合がある。
- もし受け取られたら、パッチは他の開発者たちと関連するサブシステムの
メンテナーによるレビューのために -stable キューに追加される。
- セキュリティパッチはこのエイリアス (stable @ kernel.org) に送られるべ
きではなく、代わりに security @ kernel.org のアドレスに送られる。
レビューサイクル-
- -stable メンテナがレビューサイクルを決めるとき、パッチはレビュー委
員会とパッチが影響する領域のメンテナ(提供者がその領域のメンテナで無
い限り)に送られ、linux-kernel メーリングリストにCCされる。
- レビュー委員会は 48時間の間に ACK か NAK を出す。
- もしパッチが委員会のメンバから却下されるか、メンテナ達やメンバが気付
かなかった問題が持ちあがり、linux-kernel メンバがパッチに異議を唱え
た場合には、パッチはキューから削除される。
- レビューサイクルの最後に、ACK を受けたパッチは最新の -stable リリー
スに追加され、その後に新しい -stable リリースが行われる。
- セキュリティパッチは、通常のレビューサイクルを通らず、セキュリティ
カーネルチームから直接 -stable ツリーに受け付けられる。
この手続きの詳細については kernel security チームに問い合わせること。
レビュー委員会-
- この委員会は、このタスクについて活動する多くのボランティアと、少数の
非ボランティアのカーネル開発者達で構成されている。
-------------- next part --------------
#
# stable_kernel_rules.txt の info
# 書き方は http://www.linux.or.jp/JF/workshop/guidance-infofile.html 参照
#
TITL: stable_kernel_rules.txt
KIND: OTHER-TRANS
ATRB: MISC
NAME: stabel_kernel_rules.txt
DSRC: TXT
BDAT: 2007/09/20
JDAT: 2011/5/11
BVER: 2.6.38
ITEM: etc
AUTH: unknown
TRNS: Tsugikazu Shibata <tshibata at ab dot jp dot nec dot com>
CONT: Stable カーネルの公開プロセス
COPY: GPL2
KEY1: misc
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