[vine-users:080692] Re: Anthy に含まれている anthy-ut-patches は本当に GPL でいいのでしょうか 2

Daisuke SUZUKI daisuke @ linux.or.jp
2010年 11月 18日 (木) 16:29:13 JST


鈴木です。

ご指摘と問題提起ありがとうございます。
本件に関する Project Vine としての統一見解と対応(upstreamへの
問い合わせを含めて)は別途行いますので、これまでの基本方針につ
いての見解のみコメントします。

On Thu, 11 Nov 2010 16:58:16 +0900
"IWAI, Masaharu" <iwaim.sub @ gmail.com> wrote:

> >> それぞれのプロダクトが主張しているライセンスを疑うことは、
> >> 今回佐藤さんが問題提起してくれたりするように、何かのきっかけが
> >> なければ検討されません。
> >
> > Debianのような厳格な調査は難しいかもしれませんが,指摘があるまで
> > 考えもしないというのは,ディストリビューターとして
> > その態度はいかがなものでしょうか?
> 
> さあ。わかりません。
> 
> Project Vineの見解はProject Vineの人に聞かないとわかりませんが、
> 私個人としては、upstreamが「オープンソースライセンスだ」と言っているものを
> 逐一、ソースコードレベルまで調査して、本当にオープンソースライセンスとして
> リリースできるだけのものであるのかを精査するのは無理です。

いわいさんがおっしゃっているように、upstream がオープンソースライセンス
だと主張しているものについては、基本的には信用して収録します。(明らかに
おかしい、あるいはすでにおかしいことが話題になっている場合は例外ですが)
パッケージャが独自に判断して収録を取りやめることはあると思いますが、原則
としてはupstreamを信用します。もしこれをすべての疑ってかかるということ
になれば、ほぼすべてのオープンソースソフトウエアはそのままでは使えなくな
ります。(たとえ Debian が問題ないとしていても、それを信頼するのはupstream
を信頼するのと同程度です) Debian においても Legal 担当者内で指摘があって
対処されるものも多くあるでしょう。

Vine Linux としては次のような基本方針です。
- upstream のライセンス主張は原則として信頼
- グレーの疑いがある場合は Project Vine とパッケージャでの総意で
  accept/reject を判断
  - 他パッケージに影響なければ packager のみの判断で rejectは可能
- 当事者または第三者からの指摘があった場合は調査し対応
- マルチメディア系コーデックパッケージについては例外とする
  - すべてに特許問題が存在しうるという前提で、ソフトウエア
    ライセンスとは別に特許について事前調査を行う

特許調査と同じことをすべてのソフトウエアに拡大し、事前にライセンス
の妥当性調査を行うことは現実的には難しいでしょう。
# ここでいうライセンスはソフトウエア使用許諾契約です。

基本的には今後も同様の方針で進めたいと思います。

-- 
Daisuke SUZUKI | daisuke@{linux.or.jp,dicey.org,vinecaves.com}
GnuPG Fingerprint = A03C F34B 830F FFA2 A8D0  48BF 412C 29B8 C979 4DCB
GnuPG Fingerprint = 7DE6 9AC6 5E5B 1AF8 B38E  0992 90BF 4C09 7432 2CB0
Founder & President, Project Vine.            http://vinelinux.org/
Founder & President, Vine Caves, Ltd.         http://vinecaves.com/
Founder & President, Japan Linux Association. http://jla.linux.or.jp/


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